白猫の「クー」を
膝に乗せて座っている
降りそそぐ花びらが
「クー」の背中に
何枚もとまる
「クー」と私とでは
別々の速さで
時が流れる
何倍もの速さで
老いて行く「クー」と
今、時を共有している
沢山の猫と沢山の人が
生きている この星で
うまく出会うことのできた
「クー」と私
花びらが
ゆるやかに流れ続ける
「クー」の寝息に合わせて
背中の花びらが
かすかに揺れている
我が家にクーがやって来たのはちょうど4年前。
お店の裏で生まれた正真正銘保証付きノラ
真っ白な被毛にブルーの目、しなやかな体躯に長いシッポ
あぁ美しい！
ノラ時代、クーは4匹の兄弟達に比べて身体も小さく貧弱で同じ兄弟とは思えないほど弱々しかった。
ある時、開けていた窓からクーがお店に入ってきて、トコトコトコとちょうど店内にいたお客さんに近寄りそのお客さんの膝の上に乗り居眠りを始めたのだ。
それからも兄弟達が遊びに行っている時にクーはたびたびお店に入ってきて、ある時はオレの膝の上、次の日には奥さんの膝の上とそのたびに気持ちよさそうに居眠りをするのだった
そんなノラらしからぬかわいさがきっかけで我が家の一員に仲間入りしたのがちょうど4年前
そんなかわいいクーだが、一緒に暮らし始めてしばらくして気付いたのだが耳が聞こえないらしい・・・
寝ている耳元で名前を呼んでも気付かず寝ている、仕事から帰っても気付かず寝ている、身体に触れるとビックリして目を覚ます・・・
真っ白な被毛で目がブルーのネコは【アルビノ（albino）】と言って先天的に障害を持っているらしい。
そんな障害を持って生まれたクーがノラとして生きていくことは難しかったと思う、そして人間の生活に入り込むことでしか「生きる」事ができないことをクー自身知っていたのだろう。
今、2歳下の弟もでき二人と二匹の生活が続いている。
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